「車輪の国、向日葵の少女」感想
というわけで、セールで購入した「車輪の国、向日葵の少女」クリアしましたー!とても私の好みなお話でした!
ざっと説明すると刑務所が無くなり、罪と罰則が細分化され罪人1人1人に更生のための監督がつくようになった世界のお話です。主人公が監督候補生、ヒロインが罪人で主人公は更生させるために四苦八苦します。私の説明は下手なので詳しくは公式サイトをcheckだ。
描写がとても丁寧な作品でしたね。章ごとにヒロイン1人に付きっきりになるのが大まかな流れなのですが、クラスメイトとして接していただけでは分からなかったヒロインの弱い部分が監督する中でどんどん浮き彫りになっていくんですよね。
このどうして義務が解消されていないのか、義務を負ったことでヒロイン(と周りの人間)にどのような影響があったかなどの掘り下げがとても丁寧です。そして長い。この弱い部分掘り下げパートでは日々が無為に過ぎてしまっているような感覚を覚えました。このまま何も変わらないんじゃないかという閉塞感ですね。
その”下げ”がしっかりしている分、後半の”上げ”が熱いです。みんなそれぞれ意思を見せてくれて安心できました。個人的に夏咲ちゃんが好きです。大好き。灯花ちゃんは彼女にほしいタイプ。
あとはまあ法月将臣のとっつぁんですね。強敵でした。そしてとてもかっこよかった。
やたらと暴力は多用してくるものの、言っている内容は理解できるというよりかなりまともな人でした。
こう、見ただけでゲームの攻略方法を思いついてしまう人というか······。本編ではかなりテキパキとしていてゴールを一瞬で見定めて最短距離を迷わず選ぶ、みたいな印象がありました。
が、本編を終えて法月編を読んでみると、あのテキパキ感は試験監督には必要なスキルなのかもしれないですね。試験監督はそういう人間であろうとなかろうと、ああいった行動をとることができる人材がなるものなのかもしれません。そしてそういった人材が優秀な特別高等人として認識されている、というだけかも。
法月編、本編でかなりの存在感をもったとっつぁんの過去話なので大変テンションが上がりました。
昔のとっつぁん、髪型が少し主人公に似てますね。イケメンだし。それが判明したのがお風呂場だったのには爆笑しました。
本編ではあまり人間味のなかったとっつぁんでしたが、ちゃんと人だったんだな、と当たり前のことを法月編でようやく認識するぐらいには人間でした。AIが人間らしさを獲得していくのと同じような気持ちで見てましたね。私は一体とっつぁんのことを何だと思ってるんだ。
夏咲ちゃんが好きな私は当然のごとくみぃなさんも好きですよ。分かりやすいですね。
今回はあまりネタバレ解禁しないで書いてみました。かなり前の作品なので気にしなくてもいいような気がしますが、この作品にはこの配慮が必要かなという判断です。