きままに

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『Outer Wilds』っていう超面白かったゲームの話

 

 

『Outer Wilds』Nintendo Switch版発売おめでとうございます!!!(唐突)

 

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みんな、買ってくれ!!!

以上!!

 

で終わらせてもいいのだが、私はこのゲームが大好きなのでもっと話す。

 


実は去年の夏頃ずーーーっとプレイし続けたぐらいにはとんでもなくお気に入りのゲーム、『Outer Wilds』。
22分後に滅ぶ星系をループを繰り返し、各地に眠る大昔に滅亡した種族であるNomaiの遺跡を巡りながら、宇宙の謎を解いていくゲームだ。
このゲームでは、様々な特徴的で命の危険が伴う星で溢れた星系ばかりを調査することになるのだが、ループすることでそれらへの対処も徐々に慣れていく。
そして、ループを繰り返すため、好奇心の赴くままに、気になるものを見かけたら片っ端から調べていっても誰も何も文句は言わない!
それがとても楽しいゲームだった。

 

なんせ目的もチュートリアルである最初のループで「Nomaiについて調べに宇宙に行くんだな!頑張れよ!」みたいなことを言われた後、この世界のガジェットの使い方をざっと習得し、博物館で世界の基本的な知識を学んで、後はそのまま宇宙に放り出されるので、何をするか自分で決められる、というか自分で決めるしかないため、計画性のない行動をしようが何をしようが自由なのだ。
ループするハーシアン(主人公の種族)も少ないため、進捗について怒られる心配もない。
命が危なくなっても戻るだけなので命も賭け放題。
何でもできるんだ!!自由だ!!Foooo!!

 

…と、かなり好き勝手行動しても、各地を調べることで何をすればいいかがだんだん見えてきて、エンディングに向かう行動を行うことになる。

 

クリアした後に真っ先に感じたことは、
「あぁ、もう解くべき謎は無くなっちゃったのか……」
という寂しさだった。
それと同時にこのゲームをクリアできて本当によかったという満足感だった。

間違いなく、私の人生でプレイできてよかった殿堂入りゲームに入った。

本当に楽しかったので、もう大体の人がこのゲームのいいところをたくさん言葉にしていると思うが、私もよかったな〜と思ったところをまとめておく。

ここからかなりネタバレするので、プレイしてない人は見ないでください。
DLCの話もします。
プレイしてほしい。本当に面白かったから。
十三機兵防衛圏とか、プロジェクト・ヘイル・メアリーとか、ループものが好きな人は絶対楽しいから!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このゲームのすごいところは、本当にどこからいっても話が繋がる謎の配置の仕方とか、自由に行動しているように思えるけど実は巧妙に誘導されているところとか、たくさんあるけれど、一番はストーリーとゲームシステムがうまく絡み合っているところだと私は思っている。

 

このゲームは最初にも言った通りループする。
星系が超新星爆発で滅びようが、宇宙服を着忘れて酸欠になろうが、宇宙から重力が2倍の星に落下して地面に叩きつけられようが、砂に押しつぶされようが、幽霊物質に冷やされようが、太陽に落下しようが、バカでかいチョウチンアンコウに食われようが、必ずループする。
つまり死ぬことでそこで終わりになるのではなく、死ぬことで次の新しい探索に向かうことができるのだ。
これは、このゲームのエンディングで示されることと同じだ。

 

死は終わりではなく、新たな始まりである。
だから、星系が滅んだ後も、新しい星系が生まれ、新たな生命が生まれた。
つまり、滅亡を恐れて立ち止まる必要はないのだ。次に繋がるのだから。

この結末に対する心構えが、プレイするだけでできるようになっているところが、ゲームにしかできない表現でとてもよかった。
なんせ死が、滅亡が終わりではないことは、ただプレイするだけでこれ以上ないほど実感できるのだ。
(それだけ死ねるとも言える)

 

何度も22分を繰り返す内に、次第に死ぬことに感慨を抱かなくなって、ループものの主人公の気分になっていく。
死ぬ時に考えることは、「よし、いい情報手に入ったな。次はどこ行こうかなぁ」である。
それか、「あぁー時間が足りなかった!また来よう!」だ。
どっちにしろ次を考えながら死ぬことになる。
死ぬことなんか、好奇心を満たすことに比べたら、たいして重要なことではないのだ。

 


DLCである『Echos of Eyes』も、それを補強するような構造になっている。

流れ者に住んでいる目が二つしかない種族は、Nomaiが求めた宇宙の眼を恐れ、それを隠した。
そして、種族の滅亡を回避するため、永遠にVR世界で生きることを選び、太陽の超新星爆発も回避するため、星系から離れた。

この二つ目の種族は、死を、滅亡を恐れている。
そのためか、流れ者は死ぬポイントが極端に少なくなっている。
せいぜい落下死か感電死か、火に焼かれて死ぬかのどれかだが、感電死は施設の劣化で起こっているため、流れ者ができた当時にできるのは焼死か落下死ぐらいだろう。酸素さえ潤沢にある。

そのせいか、DLC部分を繰り返す内に、なんだか死ぬことが恐ろしくなっていく自分がいた。
あんなに死にまくった後にも関わらずだ。
その方が生き物としては正常ではあるのだが、この世界では致命的だったのかもしれない。

 

流れ者の構造自体もループ構造になっており、ずっと同じところをぐるぐる回る構造になっているところも示唆的だ。
彼らは新しいことをするのではなく、同じことを永遠にし続けることを選んだのだ。
そして、星系から遠ざかることで、死と滅亡から更に遠ざかろうとしている。
流れ者の構造自体が、二つ目の種族の思想を表している。

このように、星の構造やループすることが、作品テーマにバッチリ直結しているのだ。
これはゲームならではの表現だと思う。
小説や映画より、プレイヤー自身が操作することで完成する表現だ。
こういうゲームにしかできない表現があると、私はそれだけで高評価ボタンを押してしまう。連打したい。

 


そして、プレイヤーの好奇心を決して否定しない、疑問に思ったことには必ず答えが返ってくるところにもとても感激した。
この小さな宇宙には、よくあるゲームを解くためにあるゲームの様なものが存在せず、Nomaiの文化としてや、この世界の構造としての謎しか存在しない。
ゲーム的都合みたいなものがほとんど排除されている世界なのだ。
あるのはせいぜいゲームオーバーになった後にまた前のループに戻るところぐらいだろうか?
そのため、世界の考察や、Nomaiがどうやって生きていたのかなどをだけをずっと考えることができた。

 

私は大体全てのゲームで何かを考える時、
(これはゲーム的な都合でこうなっているのかも)
という思考がどうしても頭から離れない性質なのだが、『Outer  Wilds』にはそういった思考が一切入り込むことがなかった。
これは本当に新鮮で嬉しい体験だった。
そして、そうして考えたことが無駄になっておらず、この宇宙は必ず答えを返してくれる。
これがとても気持ちが良かった。
好奇心最高!

 


私はストーリーを楽しみやすいアドベンチャーゲームやノベルゲームが好きなのだが、こういうゲーム全体でテーマを表現するゲームは大好物だ。
量子の話やループの話も好きで、謎解きも好きで、自由に空を飛べるゲームも大好きなので、好きなものだらけなゲームでした。

そして、もう二度とあの星々から謎が出てこないことが、とてもとても寂しい。

 

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