きままに

あらゆる視聴&プレイ作品の感想溜まり場

2020年の面白かった同人ゲームの話

 

というわけでPCでやった印象に残っている同人ゲーム編です。本当はどちらもやった後に感想を書こうと思ったんですけど、忙しかったのと、「ネタバレ全くせずに喋るの難しいな…」とか「誤読があったら恥ずかしいな…」という葛藤が発生して書けずじまいでした。でもやっぱり面白かったことの記録を残しておこうという気になったので、年末ですし、書いておきます!

 

印象に残っているタイトル2つあって、どちらも同人BLノベルゲームです。両作ともやった後しばらくその作品のことばっかり考えたりしてました。どっちも記憶消してまたやりたい。

 

『産形邸の六天狗』

 

産形邸の六天狗

 

サークル「冬のいもうと」様制作の最新作ノベルゲームです!簡単に言うと館ものの人間蠱毒BLはありますがR18ではないのでプラトニックな感じ。でも人間蠱毒なので人は死にます。

 

私は冬のいもうと様の作品は『鉄条の囹圄』から入ったのですが、思わずbioに刻みたくなる文章で味が濃い話を勢いよく丁寧にまとめててすげぇ〜面白れぇ〜と衝撃を受けました。思えばこの作品が私の初めての同人ゲームプレイ体験でしたね。一番最初にこのサークル様の中で一番やばい作品をやってしまった感はあります。

 

鉄条の囹圄

 

私は冬いもさんのゲームを配信直後のタイミングでやるのがこの『六天狗』が初めてだったので、配信日をとっても楽しみにしてました!配信日になった直後に即購入してプレイ開始できました。リアルタイムでプレイするとちょっとわくわくするんですよね。

 

そしてプレイ開始。館に胡散臭い人たちが集められているところに、蠱毒の中できらめく善性が眩しい主人公のせっちゃんが事情を知らずにやってくるところから始まります。誰も信じられない中、せっちゃんは血統書付きの猫系男、イチドーと協力関係になります。そして一晩明け、人間蠱毒なので当然一人お亡くなりになり、疑心暗鬼の館ミステリが開始されます。

 

なんというか、不思議なことに文章がスルスル入ってくるんですよ。状況整理も、胡散臭三兄弟の罵倒悪態も、イチドーのせっちゃんへのセクハラも全部読みやすい。

事件が起こったあとの状況整理の為の話し合いも、その時点での考え得る可能性をある程度せっちゃんとイチドーで話し合ってから行動するので、「ここでこういう行動してみればいいのに」みたいなストレスがないんですよね。とてもスムーズです。そしてこのスムーズな話の流れになるのにもちゃんと理由がある。すごい。

 

ここからはどう頑張ってもネタバレになるので印象に残った要素だけ抜き出すと、

レスバトル!天狗!兄弟!人外バトル!父と子!いちせつの純愛!レスバトル!

といった感じでした。本当はもっとある。これらの要素が綺麗にコンパクトに纏められてて、満足度が高かったです!コスパが高い。

上記の中で好きそうな要素があったらおすすめします。特にレスバトル。レスバトルは冬いもさんの私が今までやった作品では全てキレキレだったので、今作のだけの特徴ではないんですけど…。早く全作やりたいなぁ。そしていちせつは純愛。

 

お値段たったの1100円です!体験版もあるので空気感も掴みやすいと思います。是非、人間蠱毒を体験していって下さい。

 

『ウウウルトラC

 

TOP | Uuultrac

 

昭和が舞台の怪獣ヒーロードラマです。こちらはR18BLG。CP固定で三組の物語が一話ずつ語られます。

 

制作されたサークル「ADELTA」様の作品は前作の『古書店街の橋姫』が初プレイです。こちらの作品は体験版があります。興味がある人は是非!

『橋姫』はループもので、何故か死んでしまう友人の死の真相を知るために、主人公の玉森くんが3日間を繰り返す話です。現実と幻覚が交錯していくストーリーと、目を引く色使いのイラストと、大正時代の空気感が感じられる言葉選びが独特の雰囲気を作っていて、素敵な作品でした。

 

一番最初の水上ルートの終盤まで、完全にシュタゲやってるのと同じ気持ちでやってました。まゆりの為に走ってる気持ち。どちらもエゴで走ってるところがあると私は思っています。

(別ゲーの話を例えに出して申し訳ないのですが、『橋姫』は『シュタゲ』とカオスシリーズが融合したようなお話で、めちゃくちゃ好みで面白かったですね…)

 

皆いいキャラしてましたが、私は川瀬が一番好きですね。一番好きな川瀬は博士の後日談の川瀬です。

表紙 | hashihime

 

個人的には、興味がある方は『橋姫』を先にやってみるのがいいんじゃないかと思います。全体的な空気感が掴みやすいですし、体験版もありますし、更に『橋姫』を先にやっているほど、絶対『ウルC』に驚くことになるからです。私はびっくりした。

 

何に驚くかというとイベントスチルの数です。『橋姫』のノベル部分は立ち絵とスチルがある普通のノベルだったんですけど、『ウルC』は明らかにイベントスチルがめちゃめちゃ多いんですよ。本当に多い。アクションシーンは戦っているキャラがどう動いているかがわかるぐらいいっぱいありました。

 

例えば怪獣が現れる → ヒーローが現れる → ヒーローがパンチする → 怪獣爆散(パンチの時とは違う角度)、という流れが全部専用スチルで描かれているんですよ。これが何回もある。「瞬きする間に見た相手の表情」みたいな一瞬にもスチルがある。やばい。

 

確かどこかでお一人で描いているとどこかで聞いたような気がしますが、本当に、これを一人で…?と大して絵を描いていない私ですらビビるほど沢山ありました。一話序盤に一瞬しか出てこないところにも専用スチルがあって、専用があるということはここは後にも出てくるんだなと思っていたんですが、本当にそこにしか出てこなかったときは慄きました。

 

『ウルC』は一つの大きな話を主人公別に違う視点から追いかける構成なので、一回といっても同じシーンの回想や別主人公の視点でそのシーンが出てきたりもするんですが、それでもそれらが何回もあったりはしないですし…。いっぱいあるのでギャラリーにイベントスチルの欄が無かったですし。

 

絵だけで説明するときがあるので多少分かりにくいところもありはするんですが、それ以上にすげぇという気持ちが先に来るので…。めちゃめちゃリッチなものを見た気がします…。

 

 

ストーリーは全部で三話あり、一話で正太郎視点、二話で史郎視点、三話で鞘師視点で物語が進みます。

一話では何が目的かはよくわからないけど面白ぇ人って印象だった蝶番史郎さんが、二話でこんなこと考えながらこういうことしてたのかーってわかる感じですね。正太郎くん視点ではわからなかったことも、全員の視点で読むとだんだんわかってきます。わからないところは公式Q&Aページをどうぞ。私も見ました。誤読がありそうだったので…。

 

 

とりあえずあんまりネタバレしないように話数ごとの大まかな感想を書いていきます。

 

一話はシンプルにヒーローの話でしたね。ヒーローとは役職というよりは心持ちなんだという話だったと思います。王道ヒーローでした。正太郎くんは最後の攻撃シーン好きです。なぜかプレイ中は小林くんの話ばかりしてました。(なんで?)

最後の後日談パートで狐塚くんも正ちゃんも幸せそうでよかったです。カンです。

 

二話は史郎と鈴が可愛かったですね〜!二人とも一途で、かといって史郎は素直には言わないし事情を知ると悲しくなっていくしで…。いい二人だった…。史郎さんが変態にばっかり絡まれるパートは不憫で面白かったです!最後の後日談パートの史郎、可愛かったですね…。

 

そして三話。私は三話が一番好きです。

二話が終わったあとは、これは鈴史の話ばっかりすることになりそうだなぁ〜と思っていたのに、しばらく三話のことしか考えられなかったです。強烈でした。特に鞘師。私は夜美くんが好きなのですが、そっちのけで鞘師のことを考え続けるぐらいには強烈でした。一途な人でしたね…。

あと、三話ではキレたナイフ時代の狐塚くんが出てくるのですが、私はああいう現在は丸くなっている人が昔はキレたナイフのようだった描写が大好きです。そういうのがあれば誰か教えて下さい。

 

こんな感じなんですけど、プレイヤー直後は頼むから誰か三話をやって鞘師の話をしてくれませんか??という気持ちでいっぱいになりました。誰か…。

要するにとっても面白かったです。次回作もやります。

 

 

 

今年はこの2作がとっても印象に残りました。書いてるうちにやり直したくなってきました。どっちも楽しかったなー。

しかも書いているたった今、年が明けました。明けましておめでとうございます。今年もいっぱい面白い作品に出会いたいです。よろしくお願いします。

 

それではこのあたりで。